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岩井 保則; 久保 仁志*; 大嶋 優輔*
Isotope News, (736), p.12 - 17, 2015/08
原子力機構は田中貴金属工業と共同で核融合炉の実現に向けてトリチウムを回収するための新たな疎水性白金触媒の開発に成功した。核融合向けに必要であった触媒の耐放射線性、耐熱性について、無機物質を基材に疎水化処理を施す新たな触媒製法の開発により耐放射線性の目安となる530kGyの放射線照射に対して性能劣化がないこと、また通常使用される温度の70Cを大きく上回る600C超の耐熱性確保にも成功し、これまでの技術的課題を解決した。さらに、この方法で作製した触媒は、従来の約1.3倍に相当する高い交換効率を達成することも確認した。本報告は疎水性触媒による核融合炉安全性の向上につき概説する。
磯部 兼嗣; 中村 博文; 神永 敦嗣; 都筑 和泰; 東島 智; 西 正孝; 小林 靖典*; 小西 哲之*
Fusion Engineering and Design, 81(1-7), p.827 - 832, 2006/02
被引用回数:11 パーセンタイル:60.11(Nuclear Science & Technology)トカマク試験装置の排ガス組成を知ることは、今後の核融合装置の燃料循環処理系の最適化設計を検討していくうえで非常に重要である。今回、2003年から2004年にかけて実施されたJT-60U試験運転時の排ガス組成を測定し、プラズマ放電内容との相関を調査した。排ガス中における水素同位体の濃度は、放電ごとにピーク値を持ち、高性能プラズマや長時間運転で高い値を示す傾向が見られた。一方、ヘリウムや炭化水素などの不純物成分は、ディスラプション時やグロー放電,テイラー放電といった壁調整放電時に高い濃度で検出された。また、通常のプラズマ放電においても、水素同位体と同様に高性能プラズマや長時間運転で高い濃度を示す傾向が見られ、最大で8%の炭化水素濃度が測定された。
山西 敏彦; 林 巧; 河村 繕範; 岩井 保則; 磯部 兼嗣; 鵜澤 将行*; 西 正孝
Fusion Science and Technology, 48(1), p.63 - 66, 2005/07
被引用回数:6 パーセンタイル:40.41(Nuclear Science & Technology)増殖ブランケットにおけるヘリウム(He)スイープガス中のトリチウム(T)回収を目的として液体窒素冷却低温吸着塔を開発した。吸着塔は、Heスイープガスから、Tを含む水素同位体を少量のHeとともに分離するものであり、そのガスを燃料処理系に送り処理することでT回収が最終的に成立する。本論文は、吸着塔と燃料処理系の連結実証試験を行い、連結時のシステムの成立性及び応答特性を報告するものである。ブランケットスイープ模擬ガス(ITERテストブランケットと同規模流量及び組成)を低温吸着塔に供給して軽水素(H)及びTを吸着し、減圧・昇温により塔を再生してそのガスを不純物除去装置(パラジウム膜拡散器)に送り、H及びTのみを最終的に回収した。吸着塔再生は、初期は減圧操作のみであり、吸着塔内の残留Heのみがパラジウム膜拡散器に送られる。その後の昇温により、H及びTが急速に脱着してパラジウム拡散器に送られる。この組成の大幅な変化に対し、システムは問題なく稼働し、吸着塔に送られた水素同位体ガス(H及びT)と再生操作で最終的に回収された水素同位体ガス量は、測定誤差範囲内で一致(99%以上の水素同位体回収を実証)し、システムの定量的成立性が実証された。
丹澤 貞光; 廣木 成治; 阿部 哲也
真空, 46(3), p.154 - 157, 2003/03
吸着剤を充填した配管中に混合ガスを通過させ、吸着親和力の違いによって通過速度に差が出現することを利用して、混合ガスを各成分ごとに分離し、そのガス成分を、バルブ操作によって適時抜き出すという方法を開発(連続循環クロマト法,Continuous Circulation Chromatograph method,C法)し、それを軽水素とヘリウムの混合ガス分離に適用し、99%以上の純度で各成分に分離できることを報告した。今回は、本技術の核融合実燃料へ適用できることを実証するため、D/Heの混合ガスを用いて実験を行ったので、その結果を報告する。
岩井 保則; 山西 敏彦; 大平 茂; 鈴木 卓美; 洲 亘; 西 正孝
Fusion Engineering and Design, 61-62, p.553 - 560, 2002/11
被引用回数:15 パーセンタイル:65.5(Nuclear Science & Technology)深冷蒸留法を採用した水素同位体分離システム(ISS)は核融合炉の燃料循環システムを構成する中核機器の一つである。国際熱核融合実験炉ITERのISS設計にあたり、設計検討上必要な体系的データ取得を目的とした深冷蒸留実験を実施した。得られた主な結果は以下の通りである。(1)ISS設計のキーパラメーターである理論段相当高の値は、実験から5cmと評価した。この値はITER-ISSの設計に採用された。(2)ISS制御ツールとしてレーザーラマン分光法を用いた高速遠隔多点水素同位体分析システムの開発を進め、水素同位体6成分(H2, HD, HT, D2, DT, T2)を1分以内に分析限界1000ppmの精度で分析できることを実証した。本システムの長期間信頼性は、2年間に渡り機器故障なく使用できた実績により確証した。(3)ISS動作評価コードを実験結果と比較検討を行うことで改良し、蒸留塔の動特性を模擬することに成功した。一連の実験を通し、ISSの設計手法及び運転手法を確立した。
岩井 保則; 中村 博文; 小西 哲之; 西 正孝; Willms, R. S.*
Fusion Science and Technology, 41(3), p.668 - 672, 2002/05
核融合実験炉の燃料循環システムではトリチウムの大部分が水素同位体分離システム(ISS)の深冷蒸留塔に液の形で滞留する。ISSの冷却材喪失事象は塔内の液化水素の異常な蒸発を引起こす。核融合炉の安全性の観点から、冷却材喪失事象時のISSの挙動を把握し、数値評価手法を確立することを目的に、日米協力の下、米国ロスアラモス国立研究所トリチウムシステム試験施設の核融合実験炉規模の深冷蒸留塔で冷却材喪失事象模擬試験を世界で初めて実施した。定常状態における深冷蒸留塔内の水素同位体インベントリーの所在を評価した後、冷凍機を手動で停止させることで冷却材喪失事象を模擬した。また同時に再沸器のヒーター出力を零とした。塔内の圧力が定常時の106.7kPaから液の蒸発とともに上昇し、235kPaに達するまでに90分を要することを観測し、水素吸蔵ベットを用いた水素急速回収等により圧力上昇を防ぐ十分な時間猶予があることを見いだした。
岩井 保則; 山西 敏彦; 西 正孝
Fusion Technology, 39(2-Part2), p.1078 - 1082, 2001/03
現在進行中のITER設計見直し作業の一環として、燃料循環システムの中核である水素同位体分離システム(ISS)の処理流量の減少に基づいた概念設計の再検討を行った。ISSでは供給される三種類(プラズマ排ガス,水処理システムからの排ガス,中性粒子注入システムからの排ガス)のフィードを深冷蒸留法により、燃料用のトリチウム濃縮流、中性粒子注入システム用の重水素濃縮流、軽水素排ガスに分離する。本報ではサイドカット流、平衡器の減数などシステムの簡略化とITERの段階的運転シナリオを考慮した4塔からなる独自の塔構成を提案した。プラズマ排ガスのトリチウム濃度、要求される燃料流中のトリチウム濃度及びその流量が総トリチウムインベントリーに与える影響を考察した。また現状の塔構成では軽水素排ガス中のトリチウム濃度が運転中に変動する可能性を指摘し、塔の構成変更による対策を提案した。
西 正孝; 山西 敏彦; 河村 繕範; 岩井 保則; 磯部 兼嗣; 大平 茂; 林 巧; 中村 博文; 小林 和容; 鈴木 卓美; et al.
Fusion Engineering and Design, 49-50, p.879 - 883, 2000/11
被引用回数:4 パーセンタイル:32.51(Nuclear Science & Technology)原研では、トリチウムプロセス研究棟(TPL)において核融合炉燃料プロセスの研究開発を主要な研究課題の一つとして進めている。最近はITER燃料系の模擬試験に重点を置いており、世界で唯一の模擬ループの試験を開始している。ループは、ZrCoトリチウム貯蔵ベット,プラズマ排ガス処理系,深冷蒸留による同位体分離系、及びマイクロガスクロマトグラフと、光ファイバーによるレーザーラマン分析系より構成される。プラズマ排ガスを模擬したDTとHe,メタンなどの混合ガスは連続的に循環処理され、不純物元素の排出と純DTガスの再循環が模擬される。実験では、リアルタイム分析の特徴を生かして、総合システムとしての挙動の測定,動特性の解析と、運転制御法の開発を行っている。また、実験をサポートするトリチウム安全設備の運転結果についても言及する。
山西 敏彦; 河村 繕範; 岩井 保則; 有田 忠昭*; 丸山 智義*; 角田 俊也*; 小西 哲之; 榎枝 幹男; 大平 茂; 林 巧; et al.
Nuclear Fusion, 40(3Y), p.515 - 518, 2000/03
被引用回数:6 パーセンタイル:20.97(Physics, Fluids & Plasmas)原研トリチウムプロセス研究棟では、1987年より、10gレベルのトリチウムを用いて、核融合炉のトリチウム技術に関する研究開発を進めている。ITERトリチウムプラントは、燃料精製、同位体分離、水処理、空気中トリチウム除去系等からなるが、燃料精製について、パラジウム拡散器と電解反応器からなるシステムを考案・検討した。トリチウムプロセス研究棟において、核融合炉模擬燃料循環ループを構築し、この燃料精製システムの実証試験に、ITERの1/15規模の処理流量で成功した。また、同位体分離システム、ブランケットトリチウム回収システムについても研究開発を進めている。
青木 功; 関 泰; 佐々木 誠*; 新谷 清憲*; Kim, Y.*
JAERI-Data/Code 99-004, 136 Pages, 1999/02
核融合実験炉の燃料循環系のシミュレーションコードを作成した。本コードは、パルス運転時のプラズマチェンバ及び燃料循環系内に分布する燃料の時間変化を追跡する。プラズマチェンバ及び燃料循環系における燃料の燃焼、排気、精製、供給の機能を時間当りの処理量に着目してその時間変化を追跡した。プラズマチェンバ及び燃料循環系各サブシステムごとに状態方程式と出力方程式を定め、燃料の燃焼、排気、精製、供給の機能をモデル化し、時間に関し定常となるサブシステムの常数は、ITERの概念設計書に依拠した。本コードを用いて、燃焼状態と燃料循環系サブシステムの処理機能とに依存する供給量の時間変化と、滞留量の時間変化を示した。
山西 敏彦; 小西 哲之; 林 巧; 河村 繕範; 岩井 保則; 丸山 智義*; 角田 俊也*; 大平 茂; 中村 博文; 小林 和容; et al.
Fusion Technology, 34(3), p.536 - 540, 1998/11
原研トリチウムプロセス研究棟において核融合炉燃料循環模擬ループを組み上げ、ITER条件での試験を行った。模擬ループは、電解反応器及びパラジウム拡散器を用いた燃料精製システム,深冷蒸留塔を用いた同位体分離システムから成る。模擬プラズマ排ガスとして、水素同位体混合ガス(トリチウム量1g)にメタン等不純物を添加してループに供給し、実証試験を行った。その結果、燃料精製システムから純粋な水素同位体のみを同位体分離システムに送ること,同位体分離システムからトリチウムを含まないHを抜き出すことを実証した。今回新たに得られた実証試験結果としては、電解反応器によりメタンを分解して水素として回収すること,同位体分離システムに設置したレーザーラマンにより、遠隔実時間分析が可能であることを示したことが挙げられる。
吉田 浩; O.Kveton*; J.Koonce*; D.Holland*; Haange, R.*
Fusion Engineering and Design, 39-40, p.875 - 882, 1998/00
被引用回数:25 パーセンタイル:85.88(Nuclear Science & Technology)ITER-EDA設計活動は昨年12月に詳細設計報告書(Detail Design Report)をまとめ上げ、いよいよ最終設計段階(1998年7月に報告書提出)となった。本発表ではITERのプラズマ運転に必要となるDT燃料循環系、トリチウムの安全取扱いの要となる多重隔壁閉じ込めシステム、トリチウム廃液低減化のためのトリチウム水処理系等を構成する種々のトリチウム処理プロセスの概要を述べると共にプラント全体としてのトリチウムインベントリー分布解析結果、代表的な事故解析の結果を説明する。
青木 功; 関 泰; 佐々木 誠*; 新谷 清憲*; C.Kim*
JAERI-Data/Code 97-042, 113 Pages, 1997/11
核融合実験炉の燃料循環のシミュレーションコードを作成した。本コードは、パルス運転時のプラズマチェンバ及び燃料循環系内に分布する燃料の時間変化を追跡する。プラズマチェンバ及び燃料循環系内における燃料の燃焼、排気、精製、供給の機能を時間当たりの処理量に着目してその時間変化を追跡した。プラズマチェンバ及び燃料循環系各サブシステム毎に状態方程式と出力方程式を定め、燃料の燃焼、排気、精製、供給の機能をモデル化し時間に関し定常となるサブシステムの定数は、ITERの概念設計書に依拠した。本コードを用いて、燃焼状態と燃料循環系サブシステムの処理機能とに依存する処理量の時間変化と、滞留量の時間変化を示した。
小西 哲之; 山西 敏彦; 榎枝 幹男; 林 巧; 大平 茂; 山田 正行; 鈴木 卓美; 奥野 健二; Sherman, R. H.*; Willms, R. S.*; et al.
Fusion Engineering and Design, 28, p.258 - 264, 1995/00
被引用回数:4 パーセンタイル:43.46(Nuclear Science & Technology)米国ロスアラモス国立研究所のトリチウムシステム試験施設(TSTA)は核融合炉燃料循環系の模擬試験施設であり、原研との日米協力によって100グラムレベルのトリチウムを用いて最長25日間の定常運転に成功した。しかし近未来のトカマクはパルス運転が想定され、また現実の装置では起動、停止など非定常条件にも対応する必要がある。この燃料循環系の非定常条件での挙動の研究を行うため、2年間協定を延長して実験を行っている。深冷蒸留による同位体分離システムはフィードバック流を用いた流路と1~2本に蒸留塔を減らした配位を用い、また自動制御を加えた。原研製燃料精製システム(JFCU)は新たに模擬プラズマ排ガスをバッチ処理する配位を用い、インベントリーを大きく低減することが確認された。TSTAループは満足すべき運転の柔軟性を示したが、制御上のいくつかの問題も摘出された。
小西 哲之; 吉田 浩; 成瀬 雄二; K.E.Binning*; R.V.Carlson*; Bartlit, J. R.*; Anderson, J. L.*
JAERI-M 93-090, 21 Pages, 1993/03
原研はDOEとの日米協力協定AnnexIIIに基づいて米国ロスアラモス国立研究所(LANL)のトリチウムシステム試験施設(TSTA)において核融合炉燃料サイクルに用いるトリチウムプロセス機器のホット試験を行った。原研の開発したトリチウムの精製を行うパラジウム拡散器、トリチウム水を分解する電解セルについて、純トリチウムを用いた特性試験、長時間耐久試験、トリチウム存在下での不純物試験を行い、実システムに適用可能な機器を開発すると共に数々の知見を得た。
小西 哲之; 大平 茂; 林 巧; 井上 雅彦*; 渡辺 哲郎*; 成瀬 雄二; 奥野 健二; Barnes, J. W.*; W.Harbin*; Bartlit, J. R.*; et al.
JAERI-M 93-089, 46 Pages, 1993/03
原研は日米協力協定AnnexIVに基づいて、米国ロスアラモス国立研究所のTSTAにおいて、核融合炉燃料ループの模擬試験を共同で行っている。その一環として、原研が設計、製作してTSTAに設置した燃料精製システムの総合的な機能の検証のため、単独重水素試験を行った。各コンポーネントは設計通り作動し、システム全体としての水素の精製機能と、不純物処理機能が確認された。また、定常運転に加え、起動、停止及び非常停止操作におけるシステム全体の挙動に関する知見が得られた。酸化反応器への酸素添加量制御など、測定、制御システムに起因する過渡特性に問題が発見された。
小西 哲之; 大平 茂; 林 巧; 渡辺 哲郎*; 井上 雅彦*; 成瀬 雄二; 奥野 健二; Barnes, J. W.*; W.Harbin*; Bartlit, J. R.*; et al.
JAERI-M 93-088, 18 Pages, 1993/03
原研は日米協力協定AnnexIVに基づいて米国ロスアラモス国立研究所のTSTAにおいて核融合炉燃料ループの模擬試験を共同で行っている。その一環として、原研製燃料精製システムを設計、製作してTSTAに設置、結合した。この装置に於て、水素同位体を精製するパラジウム拡散器の基本的な特性である透過性能を測定した。透過流量は概ね1/2乗則に従うが、透過側圧力の低いときにはある一定の圧力差までは透過が起こらない現象が見いだされた。これはパラジウム合金表面の不純物に起因するものと思われ、酸化処理によりその悪影響は減少した。
大平 茂; 小西 哲之; 成瀬 雄二; 奥野 健二; Barnes, J. W.*; W.Harbin*; Bartlit, J. R.*; Anderson, J. L.*
JAERI-M 93-087, 29 Pages, 1993/03
原研は日米協力協定AnnexIVに基づいて米国ロスアラモス国立研究所のTSTAにおいて、核融合炉燃料循環ループの模擬試験を共同で行っており、原研製燃料精製システムを設計、製作してTSTAに設置、結合した。この装置に於て、トリチウム化不純物を処理して生成するトリチウム水を捕集するためにコールドトラップがあるが、その機能不全が疑われたため、その特性試験を実施して運転上の対応策を構じた。トラップは切替え時に水分が通過するが、これは一時的な捕集率の低下によるもので、内部構造の変更や、バルブシーケンスによっては改善されない。運転上トリチウムの損失を防止するため、小型のモレキュラーシーブ塔を設置することが最良の対策と判明した。
小西 哲之; 林 巧; 成瀬 雄二; 奥野 健二; R.V.Carlson*; Anderson, J. L.*
JAERI-M 93-086, 40 Pages, 1993/03
原研は日米協力協定AnnexIVに基づいて米国ロスアラモス国立研究所のTSTAにおいて核融合炉燃料ループの模擬試験を共同で行っている。その一環として原研製燃料精製システムを設計、製作してTSTAに設置、結合した。本報告書はこの装置の設計、運転方法および安全解析結果をLANLの指定する書式に従って記述したもので、本装置の技術的な特性を網羅している。本装置はTSTAループに於て模擬プラズマ排ガスを15mol/hで処理し、純粋な水素同位体を同位体分離システムに造る一方、トリチウムを含まない不純物元素を排出する。主要構成機器パラジウム拡散器、触媒塔、低温トラップ、電解セル、ZrCoベッドで、独立のコンピュータで制御するほか、TSTAメインコンピュータにも結合する。
小西 哲之; 大平 茂; 井上 雅彦*; 渡辺 哲郎*; 成瀬 雄二; 奥野 健二; Barnes, J. W.*; Sherman, R. H.*; Bartlit, J. R.*; Anderson, J. L.*
JAERI-M 93-085, 40 Pages, 1993/03
原研は日米協力協定AnnexIVに基づいて米国ロスアラモス国立研究所のTSTAにおいて核融合炉燃料ループの模擬試験を共同で行っている。本試験は1990年10月に行ったもので、同位体分離システムにおいては3カラムによる運転、分離特性の測定、また燃料精製系ではモレキュラーシーブ塔に固定されて残留するトリチウムの挙動測定を主要な目的とした。システムは5日間に渡って安定に運転され、高濃度Tの代りにDTを供給燃料として取り出す簡便な配位が実証された。また、深冷分離塔の塔内成分分布の定量的な測定に成功した。燃料精製系では装置停止後もモレキュラーシーブに残留するトリチウムのインベントリーに与える影響が明らかとなった。